ロアンヌRoanneと言ってもほとんどの人は何?どこ?といった反応をされることと思います。
この名前を聞いてすぐにあの有名な三つ星レストランがあるところと思い浮かぶ人は相当なグルメと言えるでしょう。リヨンから列車で約1時間のところにあるロワール県の小都市ロアンヌにはかの有名な「トロワグロ」Troisgrosというレストランがありました。今はこのレストランは郊外に移転してしまいましたが、駅前の跡地には系列のレストランと食料品店が入っているそうです。
パリからロアンヌに行くためにはリヨンまでTGVを利用し、そこからはロアンヌ方面に向かう列車に乗り換える必要があります。この路線は電化されていないことと、一部は山間部を走るため、スピードが出ません。そのため、車窓の風景をゆっくり楽しむことができます。途中のタラールTarareという街には見事なアーチでできた鉄道橋があります。残念ながら列車の中からは見えません。
ロアンヌには小さな美術館があります。デシュレット美術館Musée Décheletteです。考古学者でもあったデシュレット氏が1892年に手に入れたネオクラッシック様式の邸宅を、氏の死後、未亡人がロアンヌ市に寄贈し、市立の美術館となりました。
ロアンヌ近辺で発掘された紀元前から古代ローマの時代の遺物が展示されているだけではなく、15世紀から20世紀にかけての芸術作品や、この地域出身の画家たちの作品が展示されています。
また、陶磁器も多数展示されていて、中でもフランス革命期に作られた絵皿 (faïances révolutionnaires) が注目に値すると言えます。これは、ロアンヌをはじめとする陶磁器の産地で、フランス革命の時の情景を焼き物にしたもので、1789年のフランス革命から約10年間に作られたものです。
ロアンヌにはレストランだけでなく、お菓子の美味しいお店もあります。美術館から歩いて5分ほどのところに「プラリュ」Pralusというケーキとチョコレートで有名なお店があります。
そこの一番の名物はピンクのバラ色をしたプラリネです。そのプラリネがたくさん入った「プラリュリーヌ」 La Pralulineは芳醇な香りのするブリオッシュです。ロアンヌのご当地名物として高く評価されていましたが、今ではパリやリヨンでも買うことができるようになったそうです。
MH