ルーヴル美術館のシンボルとなっているガラスのピラミッドは1989年に完成しました。
1983年に当時のミッテラン大統領のもとで大ルーヴル計画が始まり、建築家イオ・ミン・ペイに、ナポレオン広場に新たに設置するメイン・エントランスの設計が任されました。完成したルーヴル・ピラミッドは、ガラスを主材料としており、高さ20.6メートル、底辺35メートルに達しており、603枚の菱形のガラス板と70枚の三角形のガラス板とで構築されています。
ガラスのピラミッドについては、街の景観にそぐわないのでは、というような意見もたくさんあったようです。
パリには、ミッテランの前の前の大統領が関わったポンピドゥセンターの例もあり、時々斬新なデザインの建物が建てられます。
ガラスのピラミッドの地下から続くショッピングセンターの端、カルーゼルの凱旋門の下には逆ピラミッドが1993年に完成しました。
建築当初はこのピラミッドの清掃については深く考えられてはいなかったようです。高い建物のガラス部分を清掃する場合、普通は建物の上部から下ろしたキャリッジシステムまたはリフトバケットシステムによって清掃されます。しかし、ルーヴルのピラミッドでは上部に足場を作る部分がありません。そのため、当初は、ロッククライミングの専門家を雇ってピラミッドに登り、清掃したそうです。
2002年からはいわゆるお掃除ロボットが使われるようになりました。ロボットはリモコンで制御され、ピラミッドに敷設されたガラスの枠に沿って登ります。そして、ロボットは吸盤を使ってガラスをつかみ、スキージと回転ブラシを使用して掃除します。 Robuglassという名前の機械のようです。ネットでRobuglassで検索するとルーヴルのピラミッドを掃除している動画が見られます。
こうして、ガラスの汚れは落とされ、エントランス差し込む明るい日差しを守っているのです。
MH