私はいつもポルト・マイヨにあるホテルに泊まります。このホテルから一番近い「パリ・ミュージアム・パス」で入ることのできる場所は、歩いて10分のエトワールの凱旋門。 そこで今回はこの凱旋門についてです。
ローマの時代から、時の権力者が戦勝記念として造らせたもので、この凱旋門はナポレオンがオーストリア・ロシア連合軍に大勝した、アウステルリッツの戦い、での戦勝記念として、1806年にナポレオンの命で建設が始まり、完成したのは1836年でした。 その時はすでにナポレオンはアフリカ大陸の遥か西、セント・ヘレナ島で死去していました。 1840年その遺体はセーヌ河を遡りルーアンで「再々上陸」して陸路パリに運ばれ、凱旋門をくぐりアンバリッドに今は眠っています。
ところで凱旋門へ行くのにはエトワール広場(正式名はシャルル・ド・ゴール広場)を渡ることはできませんから、近くの入口を探して地下から凱旋門に向かいます。
一つはシャンゼリゼ大通りから凱旋門に向かって右側を歩き、広場の突き当りにある地下通路入口。 もう一つの通路入口は私が泊まるホテルから大通りに出て、グラン・タルメ通りを凱旋門に向かって左側を真っすぐ歩き広場突き当りにあります。 なお後者は時々開いていたリ閉じられていたりするのです。それは先回のブログにも書きましたように、
フランスは Capricieux(きまぐれ、移り気)な国ですから。
地下通路途中で上に上がると凱旋門の建物の真下に出てきます。建物の上に上るには階段を使わなければなりませんが、ここの職員や体の不自由な人の為にエレベーターがあります。 その為誰でもが乗って上ることはできないのですが、たまに職員が乗ろうとする時ちょっとお願いすると乗せてくれます。 しかしこれも「フランスは Capricieux」ですから期待しないでください。
この建物には中二階があって、凱旋門の事についての展示がありますが、それよりも私は特に言いたいのは、「パリへ行ったら凱旋門に登れ」です。
高いところならエッフェル塔もあるし、モンマルトルの丘もあるし、モンパルナスタワーだって、という声が聞こえそうですが、ここに登れば誰でも納得します。 この広場を中心に放射状に道路が伸びていて、このことで星(エトワール)が輝くようだからこの場所がエトワール広場と言われるのですが、ここからはシャンゼリゼの遥か向こうにコンコルド広場のオベリスク、そしてルーブル美術館、左手の方にはモンマルトルの丘、そして何よりもここから見るシャンゼリゼ大通りは特に美しいのです。 そしてもう一つあります。上から広場をよく見ると、広場を走る車の下、道路の色が一部変えられていて星の印 ☆ が描かれているのです。
こうして私はエトワールの凱旋門こそが、パリの街を地上高いところから見る場所として、パリに来たことが感じられ、一番感動できるところではないかと思うのです。
なお、パリにある凱旋門はここだけではないことは覚えておいてください。 ルーブル宮殿の中庭にはカルーゼルの凱旋門。 パリの北、サンドニと言う町から王がパリに入る儀式、入市式を行いましたがそのサンドニ門。ルイ14世に纏わるサン・マルタン凱旋門。革命200周年・国家事業・ミッテラン大統領が主導のラ・デファンスにあるグランダルシュも凱旋門と言われます。
GK