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ルーブル美術館 の「お庭」

ルーブル美術館にお庭などあったっけ? と思ったはずです。

でもルーブル美術館のそのすぐ隣とそのすぐ北側に公園(庭園)があることはご存知でしょうか。

ところでまず、フランスの公園(庭園)の予備知識として、その名前にはジャルダン(Jardin)とパルク(Parc)が付くのです。なお、ブーローニュの森やヴァンセンヌの森は規模からしてこれらは別格で、さらにパリの街角にある小公園・広場スクワール=英語のスクウエアも別です。

単純に分けると、城や宮殿にある平面幾何学式庭園であるフランス式庭園がジャルダンで、自然風景のように作庭されるイギリス式庭園の影響を受けた庭園がパルクと思えばよいのです。

これから書いて行くお話はジャルダンの方のお話ですが、誰からも「ルーブル美術館のお庭」とは言われていないものの、私は次の二つの公園(庭園)はそう呼んでも良いと思うのです。

 

チュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)

ルーブル美術館のガラスのピラミッドの西側にある小さな凱旋門、カルーゼル凱旋門を過ぎてコンコルド広場まで行く途中にあるセーヌ河沿いの公園のことです。

フランスのお菓子に「瓦」に似た煎餅のようなお菓子がありますが、それを「チュイル」と言います。つまりチュイルとは瓦のことで、語源的に「タイル」くらいに思っておけばよいでしょう。つまり古くはこの場所に「瓦工場」があったからなのです。

1563年に当時の摂政であった王母カトリーヌ・ド・メディシスが、ルーブル宮殿の西側に新たに南北に延びる宮殿の建築を命じて造らせたものがチュイルリー宮殿です。そしてその後ブルボンの王たちが時代により住んだり住まなかったりした宮殿で、そして時移り、最後に暮らしたのはナポレオン三世でした。1871年のパリ・コミューンの市街戦の時に焼け落ちて宮殿は無くなりましたが、その庭はチュイルリー庭園として今に残ったのです。従って宮殿の西側からコンコルド広場までをこの宮殿の庭(だからジャルダン)としてこの名前が付きました。

南側にはセーヌ河が流れ、北側にはナポレオン(一世)の時代に造られたマレ地区からコンコルド広場まで続く全長約3キロの長い通りで、セーヌと並行するリヴォリ通りが走っています。この長い通りの中でチュイルリー庭園の北側部分には美しいアーケードになっています。

また、庭園の東西にそれぞれ円形と八角形の泉水があり、その間を結ぶ長いプロムナードの両わきには花壇が左右相称的に整然と並び、ギリシア・ローマ神話にちなむ彫像や歴史上の人物の肖像などが配置されています。緑が多く、ところどころに椅子もあり、ルーブル美術館への行きか買えりに是非一度歩いてみて下さい。メトロの入口もちょうど庭園の中間地点あたりに「チュイルリー」があります。

閑話休題  チュイルリー庭園を過ぎコンコルド広場に抜けて、西の方に見えるエトワールの凱旋門を目指して歩こうとする人たちがいますが、これは間違いです。なぜなら、エトワールの凱旋門はやや小高い位置にあり、上り坂を歩くことになるからなのです。もしシャンゼリゼを歩こうとしたら、凱旋門側から歩く方が楽なのです。

 

さてもう一つは パレ・ロワイヤル(Jardin du Palais Royal)

ルーブル美術館のリシュリュー翼(北側の建物)は先ほどのリヴォリ通りに面していて、そこを渡り、更に少し北側へ歩くとすぐサントノレ通りに出ますが、その向こう側にパレ・ロワイヤルがあります。

パレ・ロワイヤルとは「王宮」の意味ですが、ルイ13世の宰相リシュリューの城館はパレ・カルディナル(Palais-Cardinal)と言われていましたが、その後主君へ寄贈され、ルイ13世の死後1643年に、当時5歳のルイ14世がルーヴル宮殿から移り住んだことで、パレ・ロワイヤル(王宮)と呼ばれるようになりました。その後ルイ14世がヴェルサイユに首都を移して以後は、弟のオルレアン公フィリップ1世一族が住むようになり、その5代目の当主である平等公フィリップが借金の返済に、庭を囲む回廊をショッピングモールに作り替えてから、パレ・ロワイヤルと言えばパリ随一の盛り場となり、ショッピングは元より、レストラン、酒場、博打場、風俗の溜まり場となったのです。

しかし1830年からの6代目当主ルイ・フィリップ「フランス人の王」による統治(7月王政と言われる)に入ってからはすっかり静かな場所になって、それが今日まで続くパレ・ロワイヤルなのです。

先に「静かな場所」と書きましたが、この中庭の整然と並ぶ木立の下のベンチに座って、深い静寂の中でスズメが餌をついばむ姿を見ていると、パリに来てよかったと誰でも必ず思うはずです。有名な観光の場所を見て回るのもよいですが、日本には無い美しい回廊に囲まれた中庭に、せめて10分でも座ったら、パリにまた来たくなることは間違いありません。

場所を分かりやすくするためにグーグル・マップを切り抜いた地図を付けておきました。

GK

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