クリュニー美術館から歩いてすぐのところにリュクサンブール公園があります。
公園に入ってすぐのところに小さな池があり、子供たちがヨット遊びをしています。ヨットといっても小さなヨットで、棒でヨットを突っついて、風に吹かれて反対側の岸に着くとまた突っついて池の中に押し戻すまという単純な遊びですが、子供たちには大人気の遊びです。ヨットは池の淵にいるおばさんから駆り出します。
この公園はゆったりとした作りで、花も多く、また、一角には人形劇専門の劇場もあります。
リュクサンブールの綴り字はLuxembourgです。そのため、リュクサンブール公園はルクセンブルク大公国となんらかの関係があるのでは、と考えてしまいますが、実際はほとんど関係がないようです。かつて、この地に宮殿と広大な所有地がありました。その所有者の名前がフランソワ・ピネー・リュクサンブールでした。その後、マリー・ド・メディシスがこの大邸宅を買い取りました。ちなみにルクセンブルク大公国の公用語はフランス語、ルクセンブルク語、ドイツ語です。日常的に多く使われるルクセンブルク語はゲルマン語系でドイツ語と近い言語です。
リュクサンブール公園は1612年にマリー・ド・メディシスがリュクサンブール宮殿に付随して、故郷のフィレンツェ風の庭園を造らせ、また、大邸宅もフィレンツェのピッティ宮殿を思わせる宮殿に改装させました。
リュクサンブール宮殿は庭園も含め23ヘクタールあります。そのうち2ヘクタールにフランスの国会の上院があり、残りの21ヘクタールが公園として市民に解放されています。
その後、中央の緑地の周りには、歴史上のフランスの王妃と女性の聖人の像が20ほど、台座の上に立っています。この中には、ジャンヌ・ダルブレ、ブランシュ・ド・カスティーユ、アンヌ・ドートリッシュ、ルイーズ・ド・サヴォワ、アンヌ・ド・ボージューのものもあります。
庭園のあちこちには100以上の彫像や記念碑があり、パリジャンたちの憩いの場となっています。ニューヨークにある自由の女神像の元になったバルトルディの像(1870)、ブルーデルのベートーベン像(1978)、フレデリック・ショパンの記念碑などもあります。また、マリー・ド・メディシスの泉や天文の泉もあります。
季節によって色とりどりの花が咲き、パリの街に疲れた時に立ち寄るにはもってこいの場所です。
MH