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ジャンピ と キシジョー 5

パリジャンの暮らし

この間こんな話をしてくれた奴がいてな。 名前はフランソワって言うんだが、今からもう10年も前の話で、そのころ、フランスの景気もさらに下降線。 リストラに遇う奴が多くいて、会社はナンテールの結構大きな倉庫業の会社で、そいつなんかその会社ではトップセールスマンだから給料も一番高いってんで、まずそいつから切られたんだよな。

フランスではよ、一番稼ぐ奴が一番先にリストラだぜ、日本もか? そりゃその会社によりけりだろうけどな。 で、フランスは失業給付が3年間だ。 それも税金は掛からずだ。 もっとも社会保険は払わなければならないけどな。 1年目は取っていた給料の80%くらいあったと言ってたな。 それで、3年目はほとんど50%くらいになるそうだ。

それと、これはまあ働いた年数にもよるけど退職金が出る。 そんなわけでそいつは纏まった金が少し入ったんで、パリ郊外に家を買ったんだそうだ。パリではアパルトマンで暮らすが郊外や地方に家を持つ人が多いからだが。 本人家族は市内でアパルトマン暮らしだが、パリ郊外のその家を人に貸してたが、その家賃に多少プラスすればパリの今のアパルトマンの家賃が払えるということで、なんとか暮らせた、と言ってたな。

おれはそのころまだ働いていたからな、それにそいつとはそれほど親しくは無かったから、そいつがそうした暮らしをしていたとは初めて聞いたよ。 今もそいつはパリに暮らしてるけど、近いうちに生まれ故郷のリヨンの西の方の何とかいう町に引っ越す、なんて言っていた。 だんだん歳をとれば田舎暮らしをしたくなるのは、フランスも日本も同じだな。

ところで話は変わるけど、フランス人たちがレストランで食事をする、ということだけどな。 あれはひとつのイベントに近いな。 自分たちの平凡な生活の中のイベント。

たとえばよ、ダチのだれかが、あそのこレストランうまかったぜ、なんて話していたのを聞こうものなら、これはもうどうしても行かねばならない。 ということで、さっそく次の金曜日の夜に予約を入れ、前の週から食費を切り詰めるわけだ。 そらよ、一日5ユーロ切り詰めれば、8日で40ユーロ。 ひとまずそこらのレストランのムニュは食べれるよな。

とにかくそう決めたら、それはそれは涙ぐましい努力をする。で、当日は仕事から戻るや、子供をベビーシッターに預け、旦那は洒落たジャケットに着替え、マダムは鏡の前で暫しマキアージュ。それでいざ出発だわさ。そして喜び勇んで出かける。 まっ、フランス人のレストランへのお出かけはこんなものかな。

もう一つこんな話もあるよ。

フランス人はゴルフはやらない、と思っている人がいるけど、半分当たってるけど半分ウソだね。イギリス人程ではないけどかなりのゴルフ人口だぜ。 俺なんかもぜんぜんスポーツしてないからゴルフでもやるか、と思って、実はパリから50キロくらい離れたところのシャトーが結構立派なゴルフ場持ってるのでちょくちょく行くんだ。

でもよ、ホントはクルマに乗らず歩いて暮らしてりゃ運動になるんだから、なにもゴルフ場で歩くことはないのさ。 モッピケとコンメルスの間でも車に乗ろうというぐらいだから、クルマ中毒、歩くの拒否、なんて生活だからよ、罪滅ぼしみたいなものさ、日ごろの運動不足をこんなことで補おうなんてさ。

でそのゴルフ場付きのシャトーの支配人は歳はもう70だ、なんていってるけど、けっこうしゃれた日本人で、行くといつもべらんめー口調で、ハマの生まれよ、なんて言っている。 神田じゃなくて横浜生まれ。 英語が滅法うまくて、適当にフランス語に英語混ぜてしゃべって、地元のフランス人や訪れるフランス人ゴルファーに結構人気あるんだ。

やって来るフランス人だけど、これが大体スノッブの小金持ちが多い。スノッブといや大体金持ちだから、いつもアルファロメオだとか、ジャガーだとか、この間フェラーリで来てたやつがいたな。 俺なんかちょっと古い型だけどメルセデスだから、多少は様になっているけどな。パリの近くのゴルフ場だから、日本人ばかりじゃないの、なんていうのは間違ってるな。 フランス人も嬉々としてやってるよ。

GK

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